宗教法人を買収する

宗教法人を買収する方法とメリット、案件を見る際の注意点とは

 

日本では憲法で信教の自由が保証されており、自分の好きな宗教を信仰することが出来ます。宗教法人の数も多く、日本全体で18万にも上ります。

 

しかしながら、昔に比べて熱心にお寺や神社にお参りする人は少なくなっており、経営難や後継者不足に陥ってる法人も少なくありません。

 

そこで、後継者不足解消の方法として注目を集めているのが宗教法人の禅譲(宗教法人の売却)です。以前よりも、第三者が宗教法人を買う行為は一般的になってきています。

 

 

宗教法人とは?

宗教法人は、その名の通り法人の一種で会社のようなものだと思ってもらえばいいです。

 

そもそも、法人格を持っていなくても宗教団体として教えを広めることに何の問題もありません。

 

ですが、1951年に施行された宗教法人法により法人格が与えられました。この法人格を得る事により様々なメリットが得られるようになりました。

 

宗教法人のメリットとは?

 

一番のメリットとして挙げられるのが節税メリットです。

 

宗教人は税制が優遇されており、年間収入8000万円以下は無税となります。さらにお寺など建物の固定資産税もかかりません。

 

しかし、無税なのは宗教本来の事業に限定されており、お布施や寄付などに限られます。例えば絵ハガキを売るなどの物販事業は課税されます。

「宗教法人」=「無税」ではないですので注意が必要ですね。

 

ただし、宗教法人は税法上「公益法人等」に分類されるため、収益事業への課税も一般的な企業よりは優遇されています。

 

宗教法人の収益事業34種類

1. 物品販売業 2. 不動産販売業 3. 金銭貸付業
4. 物品貸付業 5. 不動産貸付業 6. 製造業
7. 通信業、放送業 8. 運送業、運送取扱業 9. 倉庫業
10. 請負業 11. 印刷業 12. 出版業
13. 写真業 14. 席貸業 15. 旅館業
16. 料理店業その他の飲食店業 17. 周旋業 18. 代理業
19. 仲立業 20. 問屋業 21. 鉱業
22. 土石採取業 23. 浴場業 24. 理容業
25. 美容業 26. 興行業 27. 遊技所業
28. 遊覧所業 29. 医療保険業 30. 技芸教授業
31. 駐車場業 32. 信用保証業 33. 無体財産権の提供業
34. 労働者派遣業

 

このように収益事業の幅は広くなっていますが、もちろん宗教本来の目的に反するものではいけません。

 

宗教法人であれば、とにかく税金が安くなるということではないので注意して下さいね。

 

宗教人の税制メリットのまとめはこちらです。

税優遇 備考
公益事業 年間8000万円まで無税、内訳を申告する必要もなし お布施、寄付、お守り販売など
収益事業 公益法人等に分類されるため軽減税率が適用 34種あるが、宗教本来の目的に反してはいけない

 

宗教法人を買収する手続きとは?

それでは、宗教法人を買収する具体的な手続きはどのようなものになるのでしょうか?

 

宗教法人の買収の手続きは非常に簡単です。何と、代表役員の変更登記をすれば終わりです!

 

極論を言ってしまえば、現在の代表役員と話し合い、お互い(買収者と売却者)が合意すれば登記変更するだけなのです。

 

登記変更すれば良いだけなので、契約書もいらないと言えばいらないのですが、トラブルを避けるために書面で合意を結んでおくことは必須です。

 

宗教法人を買収する際に注意したい4点とは

具体的に宗教法人の買収を検討する時にはどんな所を注意して確認すればいいのでしょうか?

 

①収支状況

まずは当たり前ですが、収支の状況です。檀家さんや氏子さんが減ってしまい収入が全然ないという寺社は少なくありません。

 

宗教法人を購入したはいいものの、毎年赤字となってしまっては辛いです。収支の状況は必ずチェックするようにしましょう。

 

②資産状況

続いて、資産状況です。どんな所に不動産を持っているのか、貯金はいくらあるのか、宗教活動を行う場所の状態はどうなっているのか。

 

不動産は登記簿謄本も合わせて見せてもらえば安心ですね。必ず請求するようにしましょう。

 

③借金がない事

債務状況を確認することも重要です。宗教法人では基本的に金融機関で借入することは出来ません。

 

だから安心という訳ではなく、中には個人的に借金を作っているお坊さんや神主さんもいるので注意してい下さい。

 

④単立法人である事

宗教法人ならではのチェックポイントですが、買収する際は単立法人のみを検討して下さい。

 

宗教法人には3種類あり一般の人でも後継者になれると法人となれない法人があります。

 

  1. 包括宗教法人
  2. 被包括宗教法人
  3. 単立法人

 

包括宗教法人は、大きな宗派がある宗教法人でありその傘下の法人が被包括宗教法人です。これらはそれぞれの宗派で認められた人でないとなれません。

 

一方で単立法人であれば一般の人でも代表になることができます。

 

宗教法人の購入を考える人は、一般的には単立法人を対象に考えることになります。

 

「単立法人以外の宗教法人を購入したはいいものの、代表役員になれなかった」なんてこともありますので注意して下さいね。

 

「今は被包括法人だけど単立に変えられます。」と仲介業者が説明していも、きちんと単立に切り替わってからの契約をおすすめします。

 

「せっかく買収費用を払ったのに、代表役員になれなかった。」では悲惨です。単立法人のみを検討するようにしましょう。

 

宗教法人買収の具体的な案件とは

宗教法を禅譲したい(後継者を探したい)という方は多くいらっしゃいますが、もちろん具体的な条件は様々です。

 

一例

場所 資産 価格
長崎 広大な土地と建物あり。仏像も。 1.5億円
島根 本堂のみ 相談
茨城 土地複数 8000万円

 

宗教法人の買収をご検討の方はぜひ一度ご相談下さい。