お寺/神社の歴史

お寺と神社の違い

お寺と神社は、何が違うのでしょうか。日本人にとってはどちらも馴染みのあるものですが、正確に何が違うのか説明できるという方は少ないのではないでしょうか。

 

何のための宗教施設か

まず基本的な違いとして、何のための宗教施設なのかという点です。

お寺は仏教にための宗教施設であり、神社は神道のための宗教施設です。

 

もともと古来から日本に存在したのは神道であり、仏教は5世紀から6世紀に日本に伝来した(と言われている)ものです。

 

祀っているものが目に見えるか

二つ目の違いは祀っている神様が目に見える形になっているかどうかです。

お寺では祀られている仏像を直接目で見ることができますが、神社に祀られてる神様は基本的に直接目で見ることはできません。

 

お寺では釈迦如来や観音菩薩といった「仏」を祀っていますが、仏の教えをわかりやすく広めるという目的の元、釈迦の死後に仏像や絵図という形でこれらが具現されていきました。

私たちも、お寺にお参りに行く際には仏像に向かって手を合わせお祈りをすることが一般的ですね。

 

一方、神社ではその神社が信仰するそれぞれの神を祀っており、「仏像」のように特定の物体として信仰物が置かれていないのが特徴です。

日本では古くから「八百万の神」と言い、様々な神様が存在しているという考え方があります。神社で祀る神様は「御祭神」と呼ばれますが、言ってしまえば、何を崇めようが神社の自由というのが基本的な考え方なんですね。

戦いの神様、繁栄の神様など概念的なものから、徳川家康のような実在する人物、また龍や河童など架空の生物を祀っていることもあります。

 

神社に神様そのものが具現されたものはありませんが、「神様が宿っているもの」として特定の物体が祀られていることはよくあります。

これは「御神体」と呼ばれ、剣や岩などの特定の物から、山や湖など場所がこれに該当する場合もあります。

 

お寺と神社に勤める人

お寺で修行をしたり葬儀でお経を読む人は、「僧侶」と呼ばれます。いわゆる、お坊さんですね。

教えを説くことを仕事にしている僧侶を「和尚」、お寺に住み込みで働いている僧侶を「住職」と呼びます。女性の僧侶は、「尼」と呼ばれることが一般的です。

 

一方、神社で働いている人は「神主」と呼ばれます。その神社の最高責任者は、「宮司」と呼ばれます。また、神主の仕事をサポートする女性を、「巫女」と言います。

 

葬儀を行うかどうか

最後に、葬儀をするかどうかの違いがあります。お寺は葬儀を扱いますが、神社で葬儀をすることはありません。

これは、神道では「死」を穢れとして嫌うため、葬儀は神のいる神聖な場所を汚すことになるという考え方があるからです。

このため、結婚式は神社で、葬儀はお寺でというのが一般的な習慣になっています。

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